前回は、応援してもらうためには、まず応援をお願いしていることを、相手に認識してもらう必要がある」ことの重要性と、それをしっかり伝える書き方について触れました。
今回は、「応援される素地を作るための投稿」と「お願いする投稿」のバランスの悪さを解消し、応援してもらうための土壌を作る方法について書きたいと思います。
応援を必要とするとき
応援をしてもらいたいときというのは、クラウドファンディングで言えば、支援をお願いしたいときや、拡散をお願いしたいとき。
企業の活動のなかでは、新規サービスやプロダクトを開発して、その利用者を集めたいときや認知度を上げたいときなどかと思います。
こういった叶えたいことを、SNSを通じて繋がっている方々へ知ってもらい、応援してもらえれば、目的は果たせたということになります。
大抵の場合は、1回お知らせやお願いをしただけだと、全員に伝わりきらないので、何度かお知らせやお願いの投稿をすることになります。
だからといって、ずーっとお知らせやお願いの投稿ばかりしていたらどうでしょう。
そのお願いを見た人は、「またか」となり、スルーされる率が上がります。
あなたの周りにも、いつも何かを募集してばかりいる人がいませんか?
繋がりには「レベル」があることを理解する
当たり前のことですが、SNSで繋がっている人たちは、どの人たちも同じ強さであなたと繋がっているわけではありません。
関係性により、繋がりの強さには強弱があります。
そして、その関係性や繋がりのレベルにより、あなたへの応援も変わってきます。
大きく分類すると、下記の3パターンになります。
- 完全なあなたの応援者。頼まれれば無理なことでない限り大抵のことは行動する。
- 基本的には応援者。しかし、応援者を行動に移すかどうかは場合による。
- 否定的ではないけれど、特に応援をしたいわけではない。知り合い程度の関係性。
①の方々は、一度投稿を見ればすぐに応援しようと思ってくれるでしょう。
②や③の人たちは、ただお願い!といってもすぐには応援を行動に移してはくれません。
一度目の投稿は盛り上がったのに、二度目以降が思うようにいかない理由はここにあります。
①の方々は、一度目の投稿で、いいね、シェア、支援など、出来ることをしてくれます。
そうすると、二度目以降の投稿に対しては、もうやったことなので反応が薄くなります。
②や③の人たちは、一度目の投稿にいいねをするかもしれません。
内容が興味があるものであれば、シェアや支援をしてくれるかもしれません。
でも、二度目の投稿に対しては、もう知ってるよくらいで特に気に止めないでしょう。
この方々にとっては、ニ度目以降の投稿はノイズになる可能性が高いです。
戦略的な投稿内容と投稿バランス
発信する側は、こういった人々の動きを見越して、投稿を考える必要があります。
まず、考えるべきは「投稿のバランス」です。
投稿のバランスとは、お知らせやお願いばかりをするのではなく、それらをサポートする発信、心を動かすようなストーリーを入れていくことです。
お知らせやお願いの背景や進捗、メリットや裏話などの情報・物語を発信することで、興味関心を高め、応援したくなる土壌を作っていきます。
基本的には、応援してもらう土壌を作るための投稿とお願いをする投稿のバランスは、6:1くらいがいいと思っています。
一週間のうち、6日間は応援してもらうための投稿をして、1日お願いの投稿をするくらいのペースです。
応援してもらうための土壌を作る投稿とは
応援してもらうための投稿とは、お願いの裏側をしっかり伝える投稿のことです。
裏側というのは具体的には
- そのプロジェクト、サービス、プロダクトがなぜ生ませたのか
- 生まれるまでのストーリー
- どんな人がそのプロジェクト、サービス、プロダクトに関わっているのか
- 関わっている人たちの想い
- プロジェクト、サービス、プロダクトを成功させるためにどんなことをしているのか
こういったものです。
前回取り上げた、野菜ジュースのサンプルの場合は、こんな感じになります。
【ストレスに負けない体をサポートする野菜ジュースを作りたかった○○誕生の背景】
私は、昨年原因不明の体調不良で1ヶ月間仕事を休むことになりました。
原因不明といわれても、自分の中ではストレスが原因だろうと確信を持っていました。
仕事に忙殺されている日々が続いていて、心にゆとりが持てない毎日でした。会社と家を往復するばかりで、プライベートは疲れて寝ているだけ。
そんな毎日が続いている中で、とうとう体調を崩し…。しかも、休んでも休んでも、なかなか回復しないことに焦りを感じていました。
そんなときに、ふと思い立ったのが食生活を見直すことです。
今まで、自分の食生活を大切にしていなかったので、そこを大幅に見直しました。
炭水化物だらけの食生活から野菜たっぷりの食生活に変えたら、みるみる体調が回復していきました。
心も疲れていたけれど、体も疲れていたんだなと実感しました。私のように、仕事に終われて食生活まで手が回らない方はたくさんいらっしゃると思います。
そんな方でも、手軽に健康を手に入れられるサポートを出来ないかと考え、半年間の試行錯誤の末、野菜ジュース○○を開発しました。
○○は1日一杯飲んでいただくだけで、1日に必要な野菜を摂取できます。この一杯でみなさんの健康をサポートしていければと思っています。
長くなる場合は、これをブログに書いて、SNSでは概要をシェアします。
このように、応援をお願いしている裏側をお伝えすることで、応援をお願いしたい人と、あなたとの関係性を少しずつ強めると共に、プロジェクトなどに対する興味や共感を醸成していきます。
そして、本当に助けが必要なときに、前編で記載した応援の依頼方法をつかって、お願いをします。
これは、心理学で言うアンダードッグ効果(※)にも似ています。
※アンダードッグ効果・・・選挙前の予測で不利とされた候補者に対して同情票が集まり、結果的に勝ってしまうような、弱い立場にある人や不利な状況にある人を見ると、応援したくなる心理状態のこと。
人は頑張っている人を応援したくなるなります。
そして、その頑張っている人が報われない場合、助けたくなります。
まずは、しっかり頑張りを伝えてから、応援のお願いをしてみてはいかがでしょうか。
ディアメディアで提供している、伴走型の法人向けPR・ブランディング支援では、企業ブランディングにつながる情報発信のコンサルティングとして、SNSを含めた発信に関わるアドバイスや文章添削なども行っています。
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